【農業の雑学】第5回目(メロンはなぜ高いのか その5)

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どうも標です。

節目の5回目となりました。

ここまで続けられたのも、静観して下さる皆様と、

ネクネクメンバーのご好意があってこそです。

これからも変わらず細く長くやっていこうと思いますので、

楽しみにしていただければと思います。


今回は予告どおり、温度管理の話です。

春になって暖かくなると、草花が芽を出します。

ただ「暖かくなると」ではなく、それが何度なのか。

そういうお話です。

ただ、「温度」と言っても気温と地温がありますので、

そのへんは読み間違えないようにお願いします。

ですが、基本的に気温によって地温が上昇しますので、

気温≒地温と考えてもらえれば大丈夫です。


さて、

発芽に必要な地温は28から30度です。

高校のとき、前年度の3学期から準備していましたから、

そんな春先に気温28から30もあるわけがないので、

ハウス内で巨大なヒーターを使って気温を上げます。

夜も付けっぱなしです。

ちなみに、このヒーターの燃料は石油です。

これもメロンが高い理由の一つです。

そのような環境下で発芽を待ちます。

まだ苗を作るの段階なので、種は小さいマスが無数にあるトレーに撒きます。

なぜそのようなトレーを使うかと言うと、

発芽に必要な地温は、種の周りの土だけその温度であればいいので、

土が少なければそれだけ早く温まります。

発芽しましたら、ポリポット(ポリ鉢とも言う)に植え替え、

夜間も含めて今度は気温15度以上を保ちます。

ただ、生育を活発にするために日中は発芽の気温と同じくらいにして下さい。

「じゃあ、手っ取り早くずっと28から30にしていればいいじゃん」

と言うわけにはいかず、日光もないのに夜間も細胞が元気でいてもらっても

困ります。ただ、地温は下がりすぎないようにすること。

どういうことかと言いますと、夕方に水はやらないで、と言うことです。

気温が高くても、水をやれば当然地温が下がります。

これから夜になると言うのに、水をあげて地温を下げて、

低いまま一夜を通すことになります。

水をやるのはなるべく午前中です。

午後2時が一日の中で最高気温に達するので、

水をあげ、温度、日光とともに最高のコンディションで向かえることが出来ます。

余談ではありましたが、

地温は水やりと大きく関係していることが分かったと思います。

発芽しましたら、本葉が3枚ほど出てくるまでこの温度です。

そうしましたら、いよいよ定植になるわけですが、

ここでの地温は20度以下にならないようにします。

日中の地温は以前と変わりません。

あとは水やりなどに気をつければ、

今度は季節が見方してくれて温度が上がってきます。

ヒーターも使わなくなります。

ですが、夏場になれば、ハウス内は45,6度にまで上昇します。

作業をしていた当時、外気温は多分35度くらいだったと思うのですが、

ハウスから脱出したときに涼しさを感じたほどです。

さすがにこれでは地温は上がりっぱなしなんで地温を下げなければなりません。

しかし、このとき、気温=地温にはなりません。

それはなぜか。

まぁ、確かに水を溝へたくさん上げはしましたが・・・。

その頃、メロンの茎は高さ約2mにまで成長し、

自分の根元は数多くの大きな本葉により日陰が出来、

地温上昇を緩和していました。

本葉を大きくすることによって日光を受け止めるだけでなく、

根元への直射日光を遮断し、地温の上昇を防ぐ。

植物の進化をそこで垣間見ることが出来ました。

まるで、赤ん坊の頃はいろいろ面倒を見ますが、

成長をすれば自分のことは自分でやる人間のようです。


さて、何かと脱線しましたが、温度管理についてでした。


ではここで、メッセージをいただいたわけではありませんが、

本社の製本職人の方に「四角いメロンは出来んだけぇ」と訊かれたので

お答えします。


とりあえず、(四角い)型にはめれば理論上は出来そうです。

その場に居合わせたYちゃんも言ってましたが、

メロンの周りに出来るネットがキレイにできないことが予想されます。

(なんで出来ないのかは追々話させていただきます。)

決められた型にしか大きくならないので、養分を吟味しないと

型にはまるほど大きくならなかったり、

肥大しすぎた場合は、私にはちょっと予想が出来ません。

それに、型の材質も不明なところもあり、

害がなさそうな木材がいいのか、

全く自然界と交わらないプラスチック製がいいのか、

果実自体に日光は必要であれば、透明なもの(ガラスとか)

でなければいけないのか。

そして、果実が膨れ上がる力はどのくらいのパワーがあって、

それを押し込めることが出来る強度があるものはなんなのか、などなど。

そもそも、ある種の奇形なので、おいしいかどうかの保障もありません。

分からないことだらけです。

私が調べた内容によれば、栽培に成功して、ブランド品として

市場に出回っているようです。

・・・でも、やっぱり丸いほうがいいと思いますけどねぇ・・・。

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