残暑見舞い申し上げます。
どうも標です。
SmileVol.19はお手元に届きましたでしょうか。
今回は我が社から誕生した?「たとみ農園」の特集です。
農業の雑学も知識やノウハウ面で貢献して行きたいものです。
それでは前回の続き、今回は病気のお話です。
2.病気と防除
健康な作物は、常に活発に物質代謝が行われています。
物質代謝とは、根は水分と養分を吸収し、葉は太陽の光を受けて光合成をし、
葉を茂らせ、花を咲かせ、実らせることを言います。
こうした正常な代謝が何らかの原因で崩されると作物は本来の機能を
行えなくなり、しおれたり、枯れたりとさまざまな異常を示すようになります。
これが作物で言う病気です。
しかし、作物も生物なので、ある程度は病気に抵抗出来るエネルギー
があります。
一見健康そうに見えても、実は健康でいるのがいっぱいいっぱいで、
実らせるなんてとてもとても・・・、と言う状態だったら、
いいものなんて獲れませんよね。
症状が表に出ていなくても常にいい環境を保つことが大事です。
・病気の種類
作物の病気には、まず伝染するものとしないものに分けることが出来ます。
伝染病は、その病原がカビ(糸状菌)、細菌、ウイルスなどによるもので、
病気は伝染して周囲に広がっていく性質があります。
(伝染病の作物は焼却し伝染しないようにする)
非伝染病は、作物に合わない土壌条件や気象条件、環境汚染物質・薬害などが
原因なので、伝染病のように広がっていくことはありません。
しかし、非伝染病あるいは作物に合わない環境は、
病気に対する抵抗力を低下させ伝染病を誘発するので、
注意が必要です。
・発病の条件
作物の病気はただ一つの原因だけで発病するのはあまりないことで、
普通は二つ、あるいは三つ以上の原因が重なっています。
人間で例えるならば「体力の低下」と「体が冷える」と言う条件があったとします。
これらが別々ならば、なかなか風邪等は引かないと思いますが、
二つが合わさると、風邪を引く確率が極めて高くなると思われます。
考え方はこれと一緒です。
作物の例を取ってみると、
イネいもち病と言う病気(斑点状等に枯れる病気)は、
いもち病菌と言う一種の糸状菌が、
イネに寄生するために起こりますが、この病原菌の存在だけで
発病することはありません。
日照不足や低温・長雨、窒素質肥料のやりすぎなど、発病するには
発病しそうな環境条件が必要となります。
そして、イネ自身がいもち病にかかりやすい性質を持っている場合、
より一層激しく発病します。
このように、作物の病気は病気を起こす病原体(主因と言う)の他に、
発病を誘発する環境(誘因と言う)、病気にかかりやすい性質(素因と言う)、
と言う、三つの条件が揃ったときに発病すると考えられています。
次回に続く。