2012年1月アーカイブ

どうも標です。

この「害虫と農薬」も長いことしてますが、

まだ「農薬」のことに触れてないので、

終わるにはまだまだ長そうです。

と言うことで、前回は時期ネタを挟ませて頂きました。


前々回は病気の予防でしたが、

今回は病気の駆除とウイルス病の防除のお話です。


・病気の駆除

・薬剤散布

作物が発病したときは、できるだけ早く発見して殺菌剤を散布する。

殺菌剤にはいろいろあります。

殺菌剤を選ぶ上で、基本的な原則は、

発病前の予防剤と発病後の治療剤を区別して考えることが重要になります。


予防剤:

作物の表面に付着した病原菌が細胞内に侵入する前に

効果を発揮する薬剤です。

菌の胞子の発芽を抑えたり、菌糸の侵入を阻止する効力は強いですが、

作物体内へ浸透する能力は無く、

すでに侵入してしまった菌を殺菌する効力はありません。


治療剤:

病原菌が作物体内に侵入、または発病後に効果を発揮する薬剤です。

作物体内によく浸透し侵入した菌糸や吸器に作用し、

死滅させたり、分生胞子の形成を破壊したりします。

病気は予防することが第一で、

発病してからでは手おくれの場合がほとんどです。
(薬剤が浸透した作物を食べるのはちょっとな・・・と言う感じもしますしね)

従って、発病前は定期的な予防剤の散布が中心と言うことになります。

また、発病の前兆がある場合や、すでに発病している場合は、

治療剤を散布します。

ですが、治療剤は多用すると病原菌自体に耐性がついてしまい

薬剤が効きにくくなるので、

使用回数はできるだけ少なくする必要があります。

以下のこれらは用途に合わせた薬剤の使用例です。

予防剤
汎用性:TPN剤、ジネブ剤、銅剤、有機銅剤
選択性:べと病にはホセチル剤
    疫病にはエクロメゾール剤
    うどんこ病にはジメチリモール剤
    菌核病にはCNA剤
治療剤
汎用性:プロシミドン剤、イプロジオン剤、ビンクロゾリン剤、ベノミル剤、
    チオファネートメチル剤、ポリオキシン剤
選択性:うどんこ病にはキノキサリン剤・トリアジメホン剤
    苗立ち枯れ病にはメプロニル剤
    べと病にはメタラキシル剤


・ウイルス病の防除

ウイルス病は、一度かかってしまうと薬剤などによって治療することは

残念ながら出来ません。つまり、ウイルス病の駆除の方法はありません。

いかに「病気にかからないようにするか」がポイントになります。

そのためには伝染方法に対応した3つが防除の要点になります。

1.伝染源の除去
(電線源となる発病した作物、被害残渣や雑草の除去)
(種子消毒)
(資材や土壌の消毒)
2.伝染経路の遮断
(媒介昆虫の駆除や飛来を防ぐ。寒冷遮・反射マルチ・反射テープなど)
3.抵抗性品種や台木の利用
(抵抗性品種や弱毒ウイルスの利用)


次回は害虫の話です。

アオムシやバッタなどが登場する予定です。

どうも標です。

農業の雑学も2年目となりました。

今年もよろしくお願いします。


今、葉っぱものが高いですねぇ。

通常の約2倍ですって。

こういうときは、少し痛んでいるものがお店に出てきてしまったりします。

でも、決して消費者の方々は嫌な顔をしないで下さい。

農業の雑学で言ったか言ってないか忘れてしまいましたが、

旬のときでも採れる野菜は全てがいいものではないため、出荷前に選別が行われます。
(製造業で言うところの検品と同じです)

若干、選別の基準を甘くしないと、とてもお店に行き渡らないか、さらに高くなります。

1玉¥350もありえます。

普通のときであれば、厳選された野菜がお店に並べられ、

私たちは特に良いものを食べさせてもらっています。

その裏側では、私たちの口に入るまでにたくさんの野菜が捨てられています。

野菜が高いと言うことは採れる量が少ないと言うことなので、

いつもの厳しい選別だと全てのお店に行き渡らなくなってしまいます。

スーパー1店舗あたり、レタスでもキャベツでも1日に100個は仕入れるでしょう。

さて、そのようなスーパーは日本に何店舗あるでしょうか?

生産者はその全店舗に出荷しないとなりません。

 生産者も痛んでいるものを出荷なんてしたくないはずです。

あとは、私たちが買うか買わないかです。

良いものを選んで買うのもいいでしょう。

お店側もそのことは重々承知のはずです。

積極的に痛んでいるものを買ってもらいたいと言ってるわけではありませんが、

どうか事情を把握した上で買っていただきたいと思います。


それと、出荷するまでには膨大な不良品が出ます。

これを農業では「はじき」と言います。

はじきは基本的に廃棄ですが、格安で販売したりすることがあります。ですが、

生産者からしてみれば、はじいたものの中からさらに選別しなければならない上に、

あまりお金にならない作業と言うこともあって全て廃棄にしてしまうケースがあります。

はじかれた野菜はいわゆる「ワケあり商品」と言う形で売られたりしますが、

どこのお店でもやってるわけではありませんよね。

やっている(選別する)農家が少ない、または、

お店の利益的な面や、お店の評判にも関わることもありますので、

卸も小売も避け気味と言うところが現状かと思います。


今回は、「害虫と農薬」の流れに私が飽きてしまったので(笑)、

時期ネタをやってみました。